(幹事社)
ありがとうございます。各社さんいかがでしょうか。
(記者)
今の質問の補足でお尋ねしたいんですけど、国交省の有識者会議のことを触れられたところで、47項目の議論をしていると。工事に入れる状況にはないがとにかく意見交換するのはやぶさかではないという趣旨お話されましたけども、工事に入る状況にはないっていうのはこの本体トンネル工事に関連してくるものを指しておっしゃってるという理解でよろしいでしょうか。
(知事)
西俣ヤードについて、実質念頭に置かれた準備工事ではないかと思うんですけど。それは入れる状態ではないと。それに至るには畑薙からそこまで27キロあります。その畑薙に行く前に作業道があります。静岡から行く三ツ峰落合線であり、あるいは、川根本町から行く閑蔵線ですね。この道がですね、安全確保できてない限りですね、いきなり深い山の中に入ってですね、何か大きな事故でもあったらですね、助けに行くことができないということがありますから、西俣ヤードにおける工事は極めて難しいなという印象を持ってるんですが、これは、写真で見たり報告を受けた上での判断でありまして、実際に現場で見てみたいなと思っていると。ですから有識者会議は有識者会議で、金子さんもそのことは十分承知の上でですね、会いたいとおっしゃってると。私はもうちゃんと返事を差し上げまして、ともかく現在は47項目の審議の行方を見守るのが筋ではないかと。ただやれることはあると。つまり、作業員の安全だと、作業員の安全というのは、作業道をしっかり整備することだというふうには申し上げてあるわけですね。そうしたことについて、金子社長がどのように考えてらっしゃるのかというのを聞くに値すると思っております。
(記者)
最後に1点、流域の市町首長さんたちはその本体トンネル工事が、なし崩し的に繋がってしまうのではという懸念が今もおありになると思うんですけども、その点については知事、今現状どうお考えでしょうか。
(知事)
なし崩しなんてのは、決して許しません。とんでもない話です。南アルプスはですね、ただに水の資源ではなくて、あるいは日本の奥座敷にふさわしい、あるいは地球におけるですね、希少なる絶景空間ですね。そこに対する様々な科学的な、議論を今しているところでありまして、これを無視してですね、今おっしゃったなし崩しだというふうに見えることがあるっていうのはですね、公共交通を預かるものとして、やってはならないことですね。当然それは国交省もですね、国のいわゆる国土強靱化のためにやるのに、それを全部矛盾するようなことはしてはならないと思っておりますので、なし崩しとかっていうふうなことに、見えるようなことが起こった時にはですね、もう断固反対するということであります。
(記者)
JRさんが再開を求めてる準備工事、ヤードの整備とおっしゃってますが、知事は先ほどそのヤードの整備は西俣を念頭に置いたものじゃないかとおっしゃいました。知事はこの西俣ヤードの整備の工事については準備工事だと思ってらっしゃるのか、それとも本体工事と繋がる、本体工事と一体化した工事だと思ってらっしゃるのか、見解を教えてください。
(知事)
本体工事と一体だと思ってます。そこから導水路を引くわけですからね、本体工事です。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
ちょっと幾つかあるんですけど一つはですね。静岡市がJR東海と工事現場に繋がるトンネルの工事の施行の協定を結んだということがあります。これはできればですね、静岡市中心部から井川へのアクセスが良くなるんで、地域の貢献的な要素もあるんじゃないかと思うんですが、これができたことと、今県のリニアに対する姿勢との関連で、知事がこれをどう受けとめてらっしゃるかお願いします。
(知事)
歓迎してますよ。ともかく2年間放っておいたわけでしょ。おそらく、いろいろ準備されたと思いますけれども、ようやくですね、トンネル工事の施行について、明確な工程表も含めた契約が結ばれたと。ただしこれは、両者が、協定ですからね。応分の役割分担をしてるはずですね。ですから静岡市側が何をしてこられたのかと。例えば重機を運ぶ大きなトラックが行ったりすると、あそこの道はですね、土質が悪いので、どんどん崩れてるじゃありませんか。ですからガードレールが傾いているのは、ぶつかってるからではなくて、下の土がですね、下に流されているから、だからあそこは危なくてですね、しょうがないと思ってるんです。ですからそこをちゃんとやるのは誰の仕事かというと、これは言うまでもなく静岡市でしょ。それをしないとトンネル工事すらできなくなりませんか。ただトンネル工事をするっていうのは、静岡市とトンネル工事にだけ応分の負担をするとおっしゃっているJR東海との共通の約束ですから、ですから両方やらなくちゃいけないんですね。それを両方見に行くということです。
ともかくようやくですね。2年間、放っておかれたんじゃないかと思ってまして、私の感触ではですね、あそこは夕方になると深い霧が立ちますね。すごく危ないですよ。だから帰りは閑蔵線の方にしたんです。前回ですね、皆様のうち行かれた方たちは、途中でストップしたんですね、前が五里霧中で見えないから。谷底に落ちちゃうわけですね。しかも車がいわば交差できないような狭い道でしょ。そういう道なんですね。そこにトンネル掘るって言ってるわけですよ。これは極めて、そこにトンネル掘れたとしても、そこのトンネルの入口に行くまでですね、おそらく相当の距離があると思いますね。くねくね道をいかなくちゃいかんと。これ本当に作業道として使えるのかどうかというのもですね、もう一度私、そこを走ってみまして、その感想などもですね、関係者にお伝えしたいと思っております。
しかし、ともかく工事すると、JR東海とかさんがね、施行について真摯に向き合われて、2年後ではありますけれども、きちっとした約束をされたというのはご立派なことだと思っております。地域貢献というよりもこれは作業道ですから、はい。
(記者)
ちょっとその上で、もう一段階なんですけど、先ほど知事はJRの東海の社長さんが6月中の準備工事再開をさせて欲しいということに関しては、今度に林道を視察して、安全確保をしっかり見て、流域市町と話をして、自分の自らの判断をしたいとおっしゃってますけれども、それ以外に例えばですね、1年前と比べていろんな状況が起こってると思うんですけれども、例えばこの今のこのトンネルの話も今日出てきましたし、その他いろんな有識者会議の動きもあると思うんですが、そういう去年と比べて準備工事の再開、去年5月は流域市町もちょっと話になったと思うんですけど、1年経って、ここで判断を見直す余地のある大きな動きというか、そこは判断の材料にされるのかそこをちょっと今どうとらえていらっしゃるのかをちょっと教えて欲しいですね。
(知事)
現場は一部良くなってるところもあるに違いありません。去年、宇野副社長が約束された、その畑薙から西俣までの道路、実際にパンクしたわけですからね。これについて、やると約束されて、これは彼ら自身がやるべきことですから、やってらっしゃると。これは明日見に行ってわかるということですね。それからトンネルについては、これは今まで放っておかれたという印象ですね。それから、台風の影響がありましたからね。行かれた人、畑薙の橋を渡って、この対岸に出るわけですね。対岸に出たところのその向かい側が、誰も止めることができない赤崩というのがあります。富士山の大沢崩れにも匹敵するほどの大きな崩れで、そこから水が噴き出しているわけですね。誰も止められないわけです。それがどんどん崩れてきて、その崩れた土砂がですね、畑薙の橋を塞ぎつつあるわけです。私が行った時は、30センチぐらいまで埋まってました。昨日行った人によると、一部はもう橋のところまで土砂が埋まってるということだったんですね。これは現場における変化じゃないでしょうか。それから、委員会は、去年の段階では専門家会議をやっていたわけですね。それに対して、国が引き受けたいとおっしゃるので、それでは国が5つの条件を合意した上で始めるということになったんですが、そのうち、委員長の中立公正性についてはですね、大成建設の監査役、大成建設は今、談合でですね、訴えられているところですね。大成建設がトンネル掘るわけです。その監査役だったわけです。そしてですね、そういう人を座長に、あるいは委員にするというお考えだったわけですよ。これはさすがにですね、世論に押されて、その方は立派な方なんですよ。しかし、今回のこの有識者会議にはふさわしくないということで、下ろされました。確かにこのときの態度も潔くなかったんですね。なにしろ江口審議官の恩師ですからね。そういうこともあって、それを弁護された。弁護の仕方はですね、恩師を尊敬してるっていう念が、溢れてましてね、感動的でしたけども、しかし、公正中立という観点からするとですね、逸脱していたわけです。そして今度はいざ会議が始まったら、何しろ公開という、全面公開と書いてあるわけです。これをですね、議事録の公開をもって全面公開だと。議事録は誰が作るんですか。国交省ですね、編集されてるわけです。そこは全面公開と全く違いますね。それをもって全面公開だと言い張ってる責任者がいるわけですね。私は、もうこういう虚言をすることがいま横行していると。
この間、1回目2回目とやりましたけれども、改めようとしないわけでしょ。これに対してはですね、もう約束を破るというのは公人のしてはならないことだというふうに思っておりまして、大臣閣下もですね。厳しいご指導をもお願いしたいぐらいです。
(記者)
すいません、そうしますとですね知事、今回林道に視察に行かれて、安全が一定程度ですね去年より前進した安全確保策が一定程度前進しているなと感じられて、その上で流域市町と相談されて、そこで一定程度理解がられれば、JR東海さんがおっしゃっている6月中の準備工事再開についてはそこについては条件が一定程度あれば、少し前向きに考える要素があるのかどうかっていうそこをちょっと可能性として伺いたい。
(記者)
お目にかかりたいということで、2回、3回とね、丁重な、しかも不規則発言をされたことに対して、私ども全体が抗議をし、また大臣もですね、抗議されて、何か国交省の役人はですね、電話でですね、社長に対して相当無礼なことを言ったみたいですね。これは指導とかと違ってですね、本来、国交省に会議が委ねられているわけですから、そこで発言を許したわけでしょ。その発言の内容がおかしいからといってすべての責任をですね、社長に押し付けたということがございます。それに対してしかし金子社長はですね、一切文句を言わないで、実に誠実なお手紙を書いて寄越されました。そして、加えてですね、これを謝罪するだけでなく撤回するということで、流域市町のいわゆる抗議した人たちにですね、同じように謝罪かつ撤回いたしますと言われたので、実に立派な態度だと思ってるわけです。
そこにもやはり、会いたいとおっしゃっておられましてですね。もう本当に今こういう往来をするべき時期ではありませんけれども、時期が叶えばですね、お目にかかってお話しましょうと。これは別に準備工事をどうするかっていう会話に移行するかもしれない。こちらはこちらのですね、水資源を守る、それから作業員の安全を確保するという立場がございますから、そういうお互いのもうおそらく、お互いに聞き合うというか言い合うという形になるんではないかと思いますが、それでも会わないよりはいいのではないかと思っております。 |